- 2010.8.26
- 千總のきもの(23) ~夏の第一礼装 絽黒留袖~
「暑い」が挨拶になりそうなぐらいの8月も、もう後半。今月最後の
「千總のきもの」ブログは、千總が最も得意とするフォーマル、夏の
ミセスの第一礼装「黒留袖」をご紹介します。
生地は純国産の駒三本絽を使用しています。裾に波のうねりを表現し、
垣や網干、菊・松・芦・などを配した御所解文様です。藍色を基調に白・
ベージュ・金で絵模様を染め上げたシンプルで格調の高い逸品です。
江戸時代の夏の帷子(素材は麻で盛夏のきもの)
にも多くみられる網干と芦と流水波。涼やかな夏の
季節感のある模様は、現在でもきものデザインの
参考によく使われます。 (M)
- 2010.8.19
- 千總のきもの(22) ~洋風の夏訪問着~
9月始めの展示会「鼎美会」の発表商品も仕上げの段階に入ってきました。
職人さん!! 体調崩さずに頑張ってください!!! 宜しくお願いします。
きものデザインは古今東西無限に創ることができます。和装なので「古典柄」
「和柄」が中心ですが、中には洋のモチーフを使う場合もあります。
そこで今回は洋花をデザインした夏の訪問着をご紹介します。
ブーケを思わせる洋花をポイントに取り、その周囲に小花をあしらった
モダンな絽訪問着です。黄地にオレンジ・紺、紫の暈しで染め上げた
洋花がとても華やかな印象です。
微妙に油絵タッチな部分と淡いグラデに染分けた
友禅で花のコントラストをつけています。
ブログを打ちながら、来年2月の夏物発表に向け、
方向性とデザインを思案しております・・・・・・(M)
- 2010.8.05
- 千總のきもの(21) ~真夏に着る振袖~
夏の真っ只中!! "今のところ"体調も崩さず、9月の展示会やPB商品製作
の仕上げに追われる毎日。(M)の健康法は、暑い風呂に入り「その日の疲れ
はその日のうちに取る」を心がけています。
さて、今回ご紹介するきものはズバリ「夏に着る振袖」です。
最近は室内の空調も良く、夏でも袷のきものを着られる方が増えてきています。
場を彩り、華やかな雰囲気にさせるきものですから、もちろ袷でもOKです。
写真の「夏振袖」は、五本絽の生地で地色は艶やか過ぎない落ち着いた
ブルー地で染上げ、花びら一枚一枚に暈し染を施した逸品で本格的な夏の
振袖です。
(上前部分)
上前はダリア・月下美人・ビョウヤナギなどを豪華に配し
全体には撫子・コスモス・ノウゼンカヅラ・トルコキキョウ
など夏の花で纏め染上げました。 (M)
- 2010.7.29
- 千總のきもの(20) ~輝きの美しい夏訪問着~
7月も後半に入り毎日茹だる様な暑さが続いていましたが、今日は
久しぶりに雨が降り、少し過ごしやすい1日でした。
早いもので気がつけば「千總のきもの」ブログも20回目を迎えました。
今回ご紹介する夏のきものは南国の芭蕉です。
太陽の光が差し込み、芭蕉の葉が光輝くイメージをデザインしました。
素材は純国産糸の三本絽を使用し、グレー地に黄と緑の暈し染で光を
表し、芭蕉は彩色友禅と金銀箔の暈しで輝きを表現しました。
帯は、淡彩な「白の絽綴」・金を織込んだ
「黒の夏帯」でシャープに決めて頂くと、
よりモダンに着こなして頂ける夏訪問着です。(M)
- 2010.7.22
- 千總の着物(19) 「夢が広がる夏訪問着」
久しぶりの「千總のきものブログ」で、皆様、大変ご無沙汰しております。
気がつけば京都は祇園祭が終わり、暑すぎる夏の到来。
今回ご紹介するのは夏の着物でデザインが斬新!!!!
日本か海外か?水族館か?はたまた竜宮城か????
色々想像していただける楽しくて涼やかな絽訪問着です。
黒地に色とりどりの魚・ヒトデ・貝・珊瑚が海に漂うモダンな逸品です。
あの映画で有名になった"○○"もかくれていますよ!!
夢の広がる素敵な着物です。いろいろ探してみてください。(M)
- 2010.5.25
- 千總のきもの(18) ~モダンな単衣訪問着~
- 2010.5.20
- 千總のきもの(17) ~涼やかな装いの単衣訪問着~
日本には四季があり、暑い日にはやはり涼を求めたくなります。
きものにも四季を通じた着こなしがあり、ころもがえも間近!!!
5月末から6月末まで着ていただける春単衣の訪問着をご紹介します。
穏やかな水辺に芦などの水草が生え、隙間から渡し舟がのぞいています。
上前には静かに身を寄せている鷺、後身には飛び立った鷺をデザイン しました。
優しい薄利休地に白い鷺が映える涼やかで上品な逸品です。
飛び立つ鷺の様子。
頭や羽には白糸で
刺繍が施されています。
白地や銀地の絽袋帯で格式ある装いになり、 茶、紺などの中濃度 の 綴帯では
洒落た着こなしを楽しんでいただけます。 (M)
- 2010.5.11
- 千總のきもの(16) ~単衣の訪問着~
50年ぶりに全て晴れたゴールデンウィークも"アッ"と言う間に終わりました。
その後も暑かったり寒かったり不安定な毎日が続いています。
そこで今回は「見て爽やか」「着て涼しげ」な単衣の訪問着をご紹介します。
縦に石楠花(しゃくなげ)とエンジェルトランペットを配し、肩から裾に
かけてはシルエット風に山法師をデザインしました。たてシボの生地
に淡いピンク地で染上げた清涼感のある逸品です。
石楠花の花や葉は
上品なピンクの暈し
染を施しています。
最近は6月・9月も暑い日が多いので、5月下旬から単衣着物を着られる方が
増えています。
今回ご紹介した単衣の訪問着は、白地や薄ベージュ、薄ブルー地などの帯で
コーディネートすると、より清涼感がでて綺麗に合います。 (M)
- 2010.4.27
- 千總のきもの(15) ~パーティーに映える訪問着~
4月に千總展と同時開催で「白眉展」を発表しました。帯の川島織物セルコン社と
共同テーマで製作し、毎回ご好評頂いています。今年のテーマは「蒔絵~東洋の
煌めき」です。今回はその中からモダンな訪問着をご紹介します。

洋唐草のレリーフを大胆に取り、綺麗なブルーとベージュに染分け、ベージュ地は
高台寺蒔絵をデザインしました。和と洋の異なるそれぞれの蒔絵を融合させた
パーティーなどに映えるモダンな逸品です。

参考
「紅毛漆器」 「高台寺蒔絵」
(M)
- 2010.4.20
- 千總のきもの(14) ~宝尽しの色留袖~
「めでたいしるし」「良い兆し」をあらわす文様を吉祥文様と言います。
今回ご紹介する色留袖は、宝尽しに松竹梅を配した大変おめでたい吉祥文様です。
江戸時代の腰巻にみられる総繍の宝尽しを参考に裾全体に宝を配し、ポイントに
松竹梅をデザインしました。金彩加工を施し、模様のほとんどを金駒や色糸で
細やかに縫上げた上品で豪華な逸品です。

後身頃の梅の横には小槌、
分銅、丁子、巾着、巻物
隠れ傘、隠れ蓑などが細緻
な刺繍で表現されています。

参考資料
「黒綸子地宝尽し文様」腰巻
(千總資料館所蔵)
秋田湯沢、佐竹藩の大名女性が帷子の上に着衣していた
腰巻で、宝尽しが贅を尽くした総刺繍で仕上げられています。 (M)
- 2010.4.13
- 千總のきもの(13) ~咲き競う花々 振袖~
前回に続き、4月の「千總展」で発表された振袖をご紹介します。
明治時代の日本画家である今尾景年が描いた「景年花鳥画譜」を参考に
全体に花々をデザインしました。
白地に黄とオレンジで暈し、優美に咲き競う花々を緻密な糸目友禅で
染上げた豪華な逸品です。
右後袖部分には、レンギョウ、八重梅、牡丹、
薔薇を配しています。
全体では、芍薬、木蓮、山吹、菊、桜、秋海棠、
藤、萩、桔梗、楓、女郎花などを染め上げた
まさに百花繚乱!!!
明治24年「景年花鳥画譜」 今尾景年 (千總資料館所蔵)
明治時代、十二代西村總左衛門は幼少の頃から岸竹堂に絵の指導を
うけていた関係から、竹堂をはじめ今尾景年、幸野楳嶺、望月玉泉など
錚々たる日本画家に下絵を委嘱し、旧来のマンネリ化したデザインを一新
させました。当時の千總と日本画家の深い関係により、多くの作品や下絵
が残されています。
この「景年花鳥画譜」は、景年の写生に基づく優美な四季が表現された
木版刷の花鳥画図案集です。 (M)
- 2010.4.05
- 千總のきもの(12) ~束ね熨斗の振袖~
先日行われた「千總展」のテーマ「千總コレクション」から振袖を
ご紹介します。
江戸時代後期の振袖を参考にデザインしました。
肩から束ね熨斗文様が一条一条伸びやかに流れる大胆な模様で
真紅の地色に鮮やかな挿し色が冴える、華麗な振袖に仕上げました。
花鳥は繊細な暈し染を施した糸目友禅で染め上げ、肩の束ねには、
金彩加工と金駒糸で幾重にも刺繍された大変豪華な振袖です。
参考品 「紅紋縮緬地束ね熨斗文様振袖」 江戸時代後期
友禅染、金彩加工、刺繍の最高の技術が凝縮されたこの振袖は、
現在の染繍のお手本ともいわれ、重要文化財に指定されています。(M)
- 2010.3.30
- 千總のきもの(11) ~桜の訪問着~
長雨が続いたり、急に雪が降ったり、また暖かくなる天気が続いて
3月末とは思えません。そのおかげで京都の桜は長持ちしそうです。
今年は長く咲く事を祈りつつ、今回の千總のきものは桜の訪問着をご紹介します。
この桜のデザインは、陶芸作家の島田恭子先生が陶器に描かれた
桜模様を訪問着に配し染め上げました。
桜は淡彩の糸目友禅で染上げ、暈しは彩色友禅とタタキの併用で
仕上げました。

まるで、月の光に照らされた枝垂れ桜が
浮かび上がる様な、幻想的な仕上がりです。
金、銀の錦帯や白、ベージュなどの袋帯を
締めていただくとパーティーなどに映える逸品です。
こちらは島田先生の作品で、千總の応接室に
かざられています。
とても大きな陶器で、青空に桜が満開で
美しく華やかな印象です。
(M)
- 2010.3.23
- 千總のきもの(10) ~結城紬地 訪問着~
千總のきもの10回目は、結城紬地を使用した訪問着をご紹介します。一般的に紬のきものは先に糸を染めてから織る「先染め」のきものが多いですが、こちらの訪問着は白の結城紬を友禅で染めた「後染め」のきものです。
更紗の唐花を縦付けと円取りで大胆に構成したデザインです。地色は淡い綺麗なピンク地で、様々な糊の技術を駆使し、全体を明るい印象の配色で纏めています。綴帯やモダンな袋帯でオシャレ訪問着として着ていただけます。 (M)
数十色の色を使い、明るくモダンなイメージ
- 2010.3.16
- 千總のきもの(9) ~究極の黒留袖~
今回は千總十五代西村總左衛門夫人、西村昌子が大切にしている黒留袖をご紹介します。
日本を代表する工芸の一つ、高台寺蒔絵を参考にデザインされています。、柄を友禅染で染めた後、橘・萩・菊が金駒縫い・平縫いなど様々な縫い糸・技法で豪華に刺繍され、芒は繊細な螺鈿が幾本にも施された贅沢な逸品です。製作には一級の職人が半年以上をかけて作られた究極の黒留袖です。
約20年前に誂えられ、主に親族や社員の結婚式に着用されました。千總の社員の間では、この黒留袖を「力留(リキトメ)」と呼んでいます。 整理直しで久しぶりに会社で拝見しましたが、一同「うわー・・・すごい・・・」と目を輝かせておりました。 (M)
- 2010.3.09
- 千總のきもの(8) ~色留袖~
色留袖はミセスの第二礼装のきものです。叙勲や披露宴のおよばれ、最近ではパーティーで着られている姿もよく見られます。三ッ紋や五ッ紋で格調高くお召になったり、一ッ紋で訪問着感覚でお召になれます。
鶴に波松竹梅(裾周り)
生地は国産糸の入り子菱を使用し、オフホワイトの地色にシンプルな鶴、松竹梅のおめでたい吉祥文様で構成しました。友禅染の後、ポイントの鶴・松竹梅には京刺繍で繊細かつ豪華に繍いあげており、配色を淡彩で纏めることで、上品な趣の色留袖に仕上げました。 (M)
上前の拡大画像
- 2010.2.23
- 千總のきもの(7) ~暈しコート~
千總のきもの(7)では、10月後半から春先まで着ていただけるコートをご紹介します。
暈しのコートは、留袖や訪問着、付下といったフォーマルきものから、小紋などのカジュアルなきものまで幅広く羽織っていただけます。この暈しコートは、シンプルな山取に裂箔と霞の箔を組み合わせ構成していますので、きものの柄と合わせやすいコートです。披露宴のおよばれやお茶会、パーティー、お出かけまで非常に着用シーンも多く、大変好評いただいています。
地紋は細かい唐花で、山取暈しに裂箔と霞の箔で上品に仕上げています。
カラーも数色あり、きものとのコーディネートで合わせていただけます。
上記コートに関するお問い合わせはinfo@chiso.co.jp にて承ります。(M)
- 2010.2.16
- 千總のきもの(6) ~千總の友禅着尺(小紋)~
一般的に小紋と言えばとび柄や細かい模様の連続柄で、名古屋帯などでコーディネートしカジュアルな装いとなります。千總にもとび柄や鮫小紋といったデザインがありますが、千總のきもの(6)でご紹介するきものは、錦の袋帯などを締めていただくと披露宴のおよばれやパーティにもお召いただける華やかなきものです。(もちろん名古屋帯でお出かけやお稽古にもOK!)千總ではこの華やかな小紋を「友禅着尺」とよび、一つのカテゴリーとして現在も作り続けています。
友禅着尺
袋帯コーディネート例
昔から伊勢型紙などの型染で染められたきものはありましたが、単彩で繊細なものでした。しかし、明治時代に千總の友禅職人が(糊に色を混ぜる)色写し糊を開発し、それをきっかけに多色の染分けが出来る型染が可能になりました。明治時代以後、型友禅染は一世を風靡し、それが発展し、現在のシルクスクリーン染の原形であるともいわれています。
初音御所解文様
御所解文様は、振袖、訪問着、黒留袖など様々なアイテムに使われ、千總が最も得意とする古典柄の一つです。写真のきものは型友禅で40枚前後の型紙を使用し、緻密な線と咲き誇る花の美しさを表現しています。(M)
・初音(はつね)=「源氏物語」五十四帖の第二十三帖。和歌「年月を松にひかれて経る人に今日鴬の初音聞かせよ」に因んでいます。
・御所解(ごしょどき)文様 =様々な説がありますが、現在では四季の花々や風景を細かく配し、源氏物語や能、中国の古事などの文芸作品と思われる題材(御車、桧扇、御殿、垣など)が盛り込まれた模様を御所解と呼んでいます。
- 2010.2.09
- 千總のきもの(5) ~上品会入選品~
千總のきもの第5回目は、高島屋プライベートブランド上品会(じょうぼんかい)」入選品のきものをご紹介します。
訪問着 「爛花の庭」
菊、梅、桜、牡丹、蘭、藤など様々な花が咲き競う様子をデザインしました。地色は優しいベージュ地で、それぞれの花に華やかな暈し染が施され、腰廻りには曙染という暈しで染め上げました。糸目友禅の美しさと繊細さで、まさに上品会に相応しい豪華な逸品に仕上がっています。
高島屋御店は、創業以来呉服の商いを続けておられ、「古を翻へして 新しきを為す」という会風のもと、70年以上前に上品会が創設されました。その上品会も今年で58回を数えます。その長きに亘る取り組みと進化で、現在でも呉服の最高峰として認知されています。
厳しい審査を通過した極上のきものだけが"上品会入選品"として世に送り出されます。千總に於いても*「開物成務」の企業理念にしたがい様々なきもの作りに日々挑戦しています。
*人のまだ知らないことを努力し、開発し、世に送り出すことを使命とする。 (M)
- 2010.2.02
- 千總のきもの(4) ~単衣きもの~
千總のきもの4回目は、単衣のきものをご紹介します。
単衣きものは5月下旬頃から6月末日、9月にお召になるきものです。

全体を雲取にし、雲からのぞく宇治川風景をデザインしました。上前には宇治川に架かる宇治橋、水車、後身頃には簗(やな)を配し、繊細な手描友禅で染上げました。淡い地色が多い単衣きものですが、濃い紫地も清涼感を感じさせます。
簗には鮎が2匹獲れ(後身頃右裾)・・・・・・・・・・
その傍らでカワセミが様子をうかがっています。
単衣きものや夏きものは、清涼感を求めたデザイン・配色を心掛けて製作しています。
また、今回のきもののように、様々なイメージやストーリー性を持たすことで、奥行きやあじわいのあ
る仕上がりになります。色を沢山使えばよい・・・・ということではなく、そのデザインのイメージに合っ
た色を使うことが大事かと思います。 (M)






