- 2010.10.07
- 千總のきもの(26) ~芸術性溢れる訪問着~
秋は「芸術の秋」「食欲の秋」など、色々な形で楽しむ印象のある季節
です。京都の紅葉はまだまだですが、今回ご紹介するきものは、「芸術
の秋」を連想させる訪問着です。
千總に所蔵されている「元禄舞図屏風」を参考に、肩口から裾にかけて
民衆が踊る様子をデザインしました。地色は上品な薄いグレーピンクです。
本金糸で洛中洛外が織り込まれた贅沢な生地を使用し、細やかな友禅
染の後、民衆の衣裳を京刺繍で豪華に繍上げています。フォーマルきもの
というよりは、ややオシャレ目な訪問着です。
帯はやはり白地か濃い地の綴が合うのではないでしょうか。
<参考>

「元禄舞図屏風」 神坂雪佳(20世紀初) 千總ギャラリー所蔵
京都も沢山美術館があり、面白そうな展示をしています。弊社「千總ギャラリー」
でも、「千總と京の日本画集」を絶賛公開中です。
是非、この時季に内覧されてはいかがでしょうか。
きものの画像データが粗くて申し訳ありません。(M)
- 2010.9.30
- 千總のきもの(25) ~清楚な雰囲気の訪問着~
あっと言う間に9月も最終日。
「気がついたら大晦日・・・・・・・」という展開になっていそうでヤバイです。
前回に引き続き、9月の展覧会「鼎美会」で発表した商品のご紹介です。
全体を大胆なS字に取り、それぞれのラインに「桃山草花」と「辻ヶ花」を
を配しデザインしました。地色は4色で裾左からセイジ・クリーム・ブルー・
黄と配色し、着姿は斬新でありながら清楚な印象を受ける訪問着です。
菊などの花が染分になっています。桃山期の能装束など
にみられる、刺繍で花の色分け表現した衣裳があります。
その花の特徴を活かし、友禅染で染分け、ポイントに刺繍で
加飾した華やかな逸品です。 (M)
- 2010.9.16
- 千總のきもの(24) ~異国情緒漂う訪問着~
朝晩やっと涼しくなり、随分過ごしやすくなりました。
9月1日に「千總」「川島織物セルコン社」「矢代仁社」の三社がそれぞれの
技(染・織・お召)を、お得意先にご覧いただく会「第54回 鼎美会」が、京都
文化博物館で開催されました。
全国のお取引先バイヤーや販売担当の方に、大勢お越しいただきご覧頂きました。
今回から数週にわたり、鼎美会で発表したきものをご紹介します。
この訪問着は、桃山期の南蛮屏風を参考にデザインしました。ポルトガル人
やスペイン人が貿易などで渡来した様子です。
このデザインを、色写し一珍友禅の技法を駆使し、濃い地色に白とクリームの
線で模様を表現した逸品です。
色写し一珍友禅=石灰など十数種類混ぜて作った糊に染料を混ぜ合わせ
その色糊を筒で生地に置くことによって染める技法です。
友禅染というと、多色で華やかなイメージのきもの
が多いですが、デザインによっては写真のような
モノトーンの配色でモダンさを出すこともあります。(M)
- 2010.8.26
- 千總のきもの(23) ~夏の第一礼装 絽黒留袖~
「暑い」が挨拶になりそうなぐらいの8月も、もう後半。今月最後の
「千總のきもの」ブログは、千總が最も得意とするフォーマル、夏の
ミセスの第一礼装「黒留袖」をご紹介します。
生地は純国産の駒三本絽を使用しています。裾に波のうねりを表現し、
垣や網干、菊・松・芦・などを配した御所解文様です。藍色を基調に白・
ベージュ・金で絵模様を染め上げたシンプルで格調の高い逸品です。
江戸時代の夏の帷子(素材は麻で盛夏のきもの)
にも多くみられる網干と芦と流水波。涼やかな夏の
季節感のある模様は、現在でもきものデザインの
参考によく使われます。 (M)
- 2010.8.19
- 千總のきもの(22) ~洋風の夏訪問着~
9月始めの展示会「鼎美会」の発表商品も仕上げの段階に入ってきました。
職人さん!! 体調崩さずに頑張ってください!!! 宜しくお願いします。
きものデザインは古今東西無限に創ることができます。和装なので「古典柄」
「和柄」が中心ですが、中には洋のモチーフを使う場合もあります。
そこで今回は洋花をデザインした夏の訪問着をご紹介します。
ブーケを思わせる洋花をポイントに取り、その周囲に小花をあしらった
モダンな絽訪問着です。黄地にオレンジ・紺、紫の暈しで染め上げた
洋花がとても華やかな印象です。
微妙に油絵タッチな部分と淡いグラデに染分けた
友禅で花のコントラストをつけています。
ブログを打ちながら、来年2月の夏物発表に向け、
方向性とデザインを思案しております・・・・・・(M)
- 2010.8.05
- 千總のきもの(21) ~真夏に着る振袖~
夏の真っ只中!! "今のところ"体調も崩さず、9月の展示会やPB商品製作
の仕上げに追われる毎日。(M)の健康法は、暑い風呂に入り「その日の疲れ
はその日のうちに取る」を心がけています。
さて、今回ご紹介するきものはズバリ「夏に着る振袖」です。
最近は室内の空調も良く、夏でも袷のきものを着られる方が増えてきています。
場を彩り、華やかな雰囲気にさせるきものですから、もちろ袷でもOKです。
写真の「夏振袖」は、五本絽の生地で地色は艶やか過ぎない落ち着いた
ブルー地で染上げ、花びら一枚一枚に暈し染を施した逸品で本格的な夏の
振袖です。
(上前部分)
上前はダリア・月下美人・ビョウヤナギなどを豪華に配し
全体には撫子・コスモス・ノウゼンカヅラ・トルコキキョウ
など夏の花で纏め染上げました。 (M)
- 2010.7.29
- 千總のきもの(20) ~輝きの美しい夏訪問着~
7月も後半に入り毎日茹だる様な暑さが続いていましたが、今日は
久しぶりに雨が降り、少し過ごしやすい1日でした。
早いもので気がつけば「千總のきもの」ブログも20回目を迎えました。
今回ご紹介する夏のきものは南国の芭蕉です。
太陽の光が差し込み、芭蕉の葉が光輝くイメージをデザインしました。
素材は純国産糸の三本絽を使用し、グレー地に黄と緑の暈し染で光を
表し、芭蕉は彩色友禅と金銀箔の暈しで輝きを表現しました。
帯は、淡彩な「白の絽綴」・金を織込んだ
「黒の夏帯」でシャープに決めて頂くと、
よりモダンに着こなして頂ける夏訪問着です。(M)
- 2010.7.22
- 千總の着物(19) 「夢が広がる夏訪問着」
久しぶりの「千總のきものブログ」で、皆様、大変ご無沙汰しております。
気がつけば京都は祇園祭が終わり、暑すぎる夏の到来。
今回ご紹介するのは夏の着物でデザインが斬新!!!!
日本か海外か?水族館か?はたまた竜宮城か????
色々想像していただける楽しくて涼やかな絽訪問着です。
黒地に色とりどりの魚・ヒトデ・貝・珊瑚が海に漂うモダンな逸品です。
あの映画で有名になった"○○"もかくれていますよ!!
夢の広がる素敵な着物です。いろいろ探してみてください。(M)
- 2010.5.25
- 千總のきもの(18) ~モダンな単衣訪問着~
- 2010.5.20
- 千總のきもの(17) ~涼やかな装いの単衣訪問着~
日本には四季があり、暑い日にはやはり涼を求めたくなります。
きものにも四季を通じた着こなしがあり、ころもがえも間近!!!
5月末から6月末まで着ていただける春単衣の訪問着をご紹介します。
穏やかな水辺に芦などの水草が生え、隙間から渡し舟がのぞいています。
上前には静かに身を寄せている鷺、後身には飛び立った鷺をデザイン しました。
優しい薄利休地に白い鷺が映える涼やかで上品な逸品です。
飛び立つ鷺の様子。
頭や羽には白糸で
刺繍が施されています。
白地や銀地の絽袋帯で格式ある装いになり、 茶、紺などの中濃度 の 綴帯では
洒落た着こなしを楽しんでいただけます。 (M)
- 2010.5.11
- 千總のきもの(16) ~単衣の訪問着~
50年ぶりに全て晴れたゴールデンウィークも"アッ"と言う間に終わりました。
その後も暑かったり寒かったり不安定な毎日が続いています。
そこで今回は「見て爽やか」「着て涼しげ」な単衣の訪問着をご紹介します。
縦に石楠花(しゃくなげ)とエンジェルトランペットを配し、肩から裾に
かけてはシルエット風に山法師をデザインしました。たてシボの生地
に淡いピンク地で染上げた清涼感のある逸品です。
石楠花の花や葉は
上品なピンクの暈し
染を施しています。
最近は6月・9月も暑い日が多いので、5月下旬から単衣着物を着られる方が
増えています。
今回ご紹介した単衣の訪問着は、白地や薄ベージュ、薄ブルー地などの帯で
コーディネートすると、より清涼感がでて綺麗に合います。 (M)
- 2010.4.27
- 千總のきもの(15) ~パーティーに映える訪問着~
4月に千總展と同時開催で「白眉展」を発表しました。帯の川島織物セルコン社と
共同テーマで製作し、毎回ご好評頂いています。今年のテーマは「蒔絵~東洋の
煌めき」です。今回はその中からモダンな訪問着をご紹介します。

洋唐草のレリーフを大胆に取り、綺麗なブルーとベージュに染分け、ベージュ地は
高台寺蒔絵をデザインしました。和と洋の異なるそれぞれの蒔絵を融合させた
パーティーなどに映えるモダンな逸品です。

参考
「紅毛漆器」 「高台寺蒔絵」
(M)
- 2010.4.20
- 千總のきもの(14) ~宝尽しの色留袖~
「めでたいしるし」「良い兆し」をあらわす文様を吉祥文様と言います。
今回ご紹介する色留袖は、宝尽しに松竹梅を配した大変おめでたい吉祥文様です。
江戸時代の腰巻にみられる総繍の宝尽しを参考に裾全体に宝を配し、ポイントに
松竹梅をデザインしました。金彩加工を施し、模様のほとんどを金駒や色糸で
細やかに縫上げた上品で豪華な逸品です。

後身頃の梅の横には小槌、
分銅、丁子、巾着、巻物
隠れ傘、隠れ蓑などが細緻
な刺繍で表現されています。

参考資料
「黒綸子地宝尽し文様」腰巻
(千總資料館所蔵)
秋田湯沢、佐竹藩の大名女性が帷子の上に着衣していた
腰巻で、宝尽しが贅を尽くした総刺繍で仕上げられています。 (M)
- 2010.4.13
- 千總のきもの(13) ~咲き競う花々 振袖~
前回に続き、4月の「千總展」で発表された振袖をご紹介します。
明治時代の日本画家である今尾景年が描いた「景年花鳥画譜」を参考に
全体に花々をデザインしました。
白地に黄とオレンジで暈し、優美に咲き競う花々を緻密な糸目友禅で
染上げた豪華な逸品です。
右後袖部分には、レンギョウ、八重梅、牡丹、
薔薇を配しています。
全体では、芍薬、木蓮、山吹、菊、桜、秋海棠、
藤、萩、桔梗、楓、女郎花などを染め上げた
まさに百花繚乱!!!
明治24年「景年花鳥画譜」 今尾景年 (千總資料館所蔵)
明治時代、十二代西村總左衛門は幼少の頃から岸竹堂に絵の指導を
うけていた関係から、竹堂をはじめ今尾景年、幸野楳嶺、望月玉泉など
錚々たる日本画家に下絵を委嘱し、旧来のマンネリ化したデザインを一新
させました。当時の千總と日本画家の深い関係により、多くの作品や下絵
が残されています。
この「景年花鳥画譜」は、景年の写生に基づく優美な四季が表現された
木版刷の花鳥画図案集です。 (M)
- 2010.4.05
- 千總のきもの(12) ~束ね熨斗の振袖~
先日行われた「千總展」のテーマ「千總コレクション」から振袖を
ご紹介します。
江戸時代後期の振袖を参考にデザインしました。
肩から束ね熨斗文様が一条一条伸びやかに流れる大胆な模様で
真紅の地色に鮮やかな挿し色が冴える、華麗な振袖に仕上げました。
花鳥は繊細な暈し染を施した糸目友禅で染め上げ、肩の束ねには、
金彩加工と金駒糸で幾重にも刺繍された大変豪華な振袖です。
参考品 「紅紋縮緬地束ね熨斗文様振袖」 江戸時代後期
友禅染、金彩加工、刺繍の最高の技術が凝縮されたこの振袖は、
現在の染繍のお手本ともいわれ、重要文化財に指定されています。(M)
- 2010.3.30
- 千總のきもの(11) ~桜の訪問着~
長雨が続いたり、急に雪が降ったり、また暖かくなる天気が続いて
3月末とは思えません。そのおかげで京都の桜は長持ちしそうです。
今年は長く咲く事を祈りつつ、今回の千總のきものは桜の訪問着をご紹介します。
この桜のデザインは、陶芸作家の島田恭子先生が陶器に描かれた
桜模様を訪問着に配し染め上げました。
桜は淡彩の糸目友禅で染上げ、暈しは彩色友禅とタタキの併用で
仕上げました。

まるで、月の光に照らされた枝垂れ桜が
浮かび上がる様な、幻想的な仕上がりです。
金、銀の錦帯や白、ベージュなどの袋帯を
締めていただくとパーティーなどに映える逸品です。
こちらは島田先生の作品で、千總の応接室に
かざられています。
とても大きな陶器で、青空に桜が満開で
美しく華やかな印象です。
(M)
- 2010.3.23
- 千總のきもの(10) ~結城紬地 訪問着~
千總のきもの10回目は、結城紬地を使用した訪問着をご紹介します。一般的に紬のきものは先に糸を染めてから織る「先染め」のきものが多いですが、こちらの訪問着は白の結城紬を友禅で染めた「後染め」のきものです。
更紗の唐花を縦付けと円取りで大胆に構成したデザインです。地色は淡い綺麗なピンク地で、様々な糊の技術を駆使し、全体を明るい印象の配色で纏めています。綴帯やモダンな袋帯でオシャレ訪問着として着ていただけます。 (M)
数十色の色を使い、明るくモダンなイメージ
- 2010.3.16
- 千總のきもの(9) ~究極の黒留袖~
今回は千總十五代西村總左衛門夫人、西村昌子が大切にしている黒留袖をご紹介します。
日本を代表する工芸の一つ、高台寺蒔絵を参考にデザインされています。、柄を友禅染で染めた後、橘・萩・菊が金駒縫い・平縫いなど様々な縫い糸・技法で豪華に刺繍され、芒は繊細な螺鈿が幾本にも施された贅沢な逸品です。製作には一級の職人が半年以上をかけて作られた究極の黒留袖です。
約20年前に誂えられ、主に親族や社員の結婚式に着用されました。千總の社員の間では、この黒留袖を「力留(リキトメ)」と呼んでいます。 整理直しで久しぶりに会社で拝見しましたが、一同「うわー・・・すごい・・・」と目を輝かせておりました。 (M)
- 2010.3.09
- 千總のきもの(8) ~色留袖~
色留袖はミセスの第二礼装のきものです。叙勲や披露宴のおよばれ、最近ではパーティーで着られている姿もよく見られます。三ッ紋や五ッ紋で格調高くお召になったり、一ッ紋で訪問着感覚でお召になれます。
鶴に波松竹梅(裾周り)
生地は国産糸の入り子菱を使用し、オフホワイトの地色にシンプルな鶴、松竹梅のおめでたい吉祥文様で構成しました。友禅染の後、ポイントの鶴・松竹梅には京刺繍で繊細かつ豪華に繍いあげており、配色を淡彩で纏めることで、上品な趣の色留袖に仕上げました。 (M)
上前の拡大画像
- 2010.2.23
- 千總のきもの(7) ~暈しコート~
千總のきもの(7)では、10月後半から春先まで着ていただけるコートをご紹介します。
暈しのコートは、留袖や訪問着、付下といったフォーマルきものから、小紋などのカジュアルなきものまで幅広く羽織っていただけます。この暈しコートは、シンプルな山取に裂箔と霞の箔を組み合わせ構成していますので、きものの柄と合わせやすいコートです。披露宴のおよばれやお茶会、パーティー、お出かけまで非常に着用シーンも多く、大変好評いただいています。
地紋は細かい唐花で、山取暈しに裂箔と霞の箔で上品に仕上げています。
カラーも数色あり、きものとのコーディネートで合わせていただけます。
上記コートに関するお問い合わせはinfo@chiso.co.jp にて承ります。(M)






