2010.8.03
千總の仕事(9)「印金」

挿し友禅が仕上がり、生地についた糊を洗い流すと
美しい糸目(白いライン)が表れてきます。
となりあう色がはっきりとして鮮明になり、華やかな感じがします。
一歩づつ完成に近づいて、残るは2工程となります。

まずは「印金」(いんきん)と呼ばれる金箔を使った加工です。
金箔を張りたい部分に糊を置き金箔を接着させます。
そして糊の付いていない余分な金箔を掃き落とす。
印金 手.jpg
ひらひらと金箔が舞いとてもきれいです。


印金 6.JPG
人の息ですら、金箔は舞うので慎重な作業が要求されます。

印金 5.JPG
また金箔にも数種類があり、微妙に色が異なりアクセントがつけられます。


印金 3.JPG
女性と同じように、いわば着物へのお化粧のような感じです。

金箔が加わるとさらに雅びやかさや豪華さが増し、
美しさが一層引き立ちます。
次回は最終「刺繍」の工程です。
お楽しみに。(I)

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2010.7.27
千總の仕事(8) 挿し友禅

千總の着物がお客様の信頼を得ている理由の一つには丁寧な着物づくりが
考えられます。
「地染め」が終わり、生地を約100℃の温度で「蒸し」をすることで
色が定着し、「水元」とよばれる工程で不純物と伏せ糊を洗い流した後、
ようやく友禅染の見せ場でもある「挿し友禅」の工程となります。

筆や刷毛を用いて、糸目糊からはみ出す事なく配色のバランスを考えながら
色を挿していく工程です。
挿し友禅 3.JPG

挿し友禅 2JPG.JPG

着物の出来映えはこの「挿し友禅」にかかっているといっても過言ではありません。
配色見本に従い、様々な色をつくり、それらを製作者の意図にあわせて一枚の着物の
中に色を構成していくため、技術に合わせて非常にセンスが大事な工程になります。
挿し友禅 50.JPG

挿し友禅 完成.JPG
いよいよ着物の全体像が見えてきました、
次回は金箔をはる「印金」の工程をご紹介いたします。(I)

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2010.5.27
千總の仕事(7) 地染め

千總の着物は地色の美しさが特徴的です。

お客様が着物を選ぶ一番の決め手は地色とも言われています。

地色は着物の印象を左右する大事な要素です。

その地色を染める工程が「地染め」です。

DSCN2570.JPG

糊置きされた生地を長く張り、生地に染料が良くなじむように

大豆の汁(もしくはふのり)を生地に引き、乾燥後に染料を刷毛で

一気に引き染めをおこないます。

DSCN2569.JPG

DSCN2573.JPG

ムラなく染めることや濃い地色を染めることは熟練の技術が不可欠です。

指定された色にあわせる染料の調合など経験も必要となります。

DSCN2580.JPG

地染めを終えたら染料を定着させるための「蒸し」を行い、

鮮やかな色を発色させます。

次回は「友禅染」の花形である挿し友禅をご紹介いたします。(I)

 

 

 

2010.5.13
千總の仕事(6)「糊置き」

千總の友禅染の美しさは色と絵姿です。

そのための大事な工程をご紹介いたします。

糊置きの工程には2種類あって「糸目糊置き」と「伏せ糊置き」があります。

 

「糸目糊置き」は糯米、もしくは合成ゴムの糊をつかって前工程の「下絵」の

線にそって糊を置いていきます。先金を付けた筒紙という道具を使いながら

筒に入れた糊を指先で調節しながら、しぼり出して美しい線を描き、

先にある工程の「挿し友禅」の際に色が混ざらないように防波堤の役目を果たす

ことが目的です。完成品には糊を置いた線が白く残るため糸目糊置きには

熟練の技が必要です。

糊置き 3.jpg    糊置き2.jpg  

DSCN2532.JPG

「伏せ糊置き」は次の工程である「地染め」(地色を染める)のために

非常に重要な工程です。模様の部分に地色が入らないように先に、

模様の部分をすべて糯米糊で覆い隠す仕事です。

「糸目糊置き」の線のからはみ出さないように内側(後に色が入る)部分に

糊を置き、さらに細かなおがくずをかけて表面の防染力を高めます。

糊置き 1.jpg    DSCN2577.JPG    

 

 千總の友禅染は多彩な色を表現するため、この二つの工程が着物の

豊かな表現力に大きく影響します。

本当に完成までの大事なバトンは、このようにどの工程が欠けることなく、

次の工程へと引き継がれていきます。(I)

 

 

 

 

2010.5.06
千總の仕事(5)「下 絵」

「下絵」とは手描き友禅の工程で「図案」からバトンと引き継ぐ工程で
青花と呼ばれる露草の花弁から搾り取った液体を筆につけて、
着物の形に仮縫いされた白い生地に下絵を描いていく作業です。
名称未設定 1.jpg

次の「糊置き」の工程にデザインを伝える重要な作業です。
描かれた図案を参考に、デザインを感じ取りながら描き、
その下絵の線が最終的な形を決める糊置きの線を示すだけに
繊細で丁寧に仕上げられていきます。
DSCN2509.JPG
オオボウシバナという露草の液体を用いるのは、水や熱で消える性質が
あるからです。最近では、より消えやすい化学青花というものも作られ、
使われるようになりました。
DSCN2510.JPG       DSCN2511.JPG
これから一枚の着物が仕上がるまで手描き友禅の工程をさらにおいかけていきます。
次回は「糊置き」です。(I)








2010.4.22
千總の仕事(4)「図 案」

千總の着物製作の出発点はまず「図案」にあります。
千總の図案室では、 千總の振袖、訪問着、留袖に代表される着物の図案を中心に、
お客様からの別誂えの図案など千總オリジナルのデザインを技術と経験を
積んだ図案家が描いています。
 

     DSCN2203.JPG

着物の図案は、まずデザインの構想を固め、「あたり」とよばれる下書きを紙上に

木炭などを使い、描いていきます。その際に文様の大きさやレイアウトの修正し、

その後丁寧に鉛筆や金の絵具などをもちいて清書をおこない完成します。

DSCN2206.JPG   DSCN1064.JPG 

女性の着姿の美しさと着物を広げた時の美しさの両方の美しさが要求され、

図案は製作の工程で出発点であり、それが設計図となり、

その絵が着物の完成に大きく影響してきます。

ノバレーゼ宝舟図案.jpg

図案から下絵へ、そしてまた次の工程へと友禅職人のバトンリレーが行われ

すばらしい着物は生み出されていきます。(I)



2010.2.26
千總の仕事(3) 「別誂え」

今回は上七軒の芸妓さんよりご注文いただいた「裾引き」の別誂えをご紹介致します。

千總には図案から始まる生産工程が整っており、様々な着物の別誂えのお客様のご要望に
お答えし対応させていただいております。お客様との話し合いのなか製作される「別誂え」は、
本当にオリジナリティの高い着物が生み出され、細かい部分にもお客様の意向が反映され
ることで楽しみを感じていただく事が出来ます。

        おしどり図案1.jpg 図案部分

 近年は「別誂え」のお客様が増えてきましたが、着丈の長い「裾引き」は新たな挑戦でした。

図案段階から取り組み、青花下絵、友禅染の仕上がりチェックまでお客様と
ご一緒に確認することでご満足いただける仕上がりを目指します。

染め.JPG      高田.JPG

お座敷などで着用されるお話やふっくらとした鳥がお好きだという情報をもとに

「流水におしどり」のデザインをご提案し、地色に関しても

お好みの色を試験染をした中から選び進行いたしました。

 おしどり.JPG    おしどり2.JPG

青花下絵に関しても実際にお召し頂き、芸妓さん特有の所作に合わせて

模様の位置など工夫いたしました。

今回の別誂えのご注文を通して、また多くの事を学び、お客様の心を理解し、
より良い着物づくりに活かしていきたいと思います。(I)

 

北野をどり.jpg

上七軒では3月25日〜4月7日まで「北野をどり」がおこなわれます。

詳しい情報はこちらから
 
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2010.2.03
千總の仕事(2) 「悉 皆」

千總の着物づくりの上でとても重要な役割が「悉皆」(しっかい)という仕事です。

千總は染匠と呼ばれる人を通じて、友禅や刺繍の職人の方々に指示する形になっています。
この染匠の方々に、「悉皆」という仕事をしていただいています。 

  染匠 木村道雄さん みちお1.jpg

 

「悉皆」とは製作意図を職人の方に伝えたり、染色の製作上の調整、段取りをおこなう仕事です。

千總の着物は、10数名を超える職人の手を渡りの創られるため、製作意図を正確に

職人達に伝え、その間を確実にバトンリレーし、完成に導く重要な役割です。


染匠の木村道雄さんは悉皆歴40年の超ベテランです。
今日も下絵の職人さんからの仕上がりを製作部長の高田さんにチェックにしていただいてます。
春に発表の新作のため入念なチェックがおこなわれました。

   高田.jpg         みちおアオバナ3.jpg

   みちお4.jpg    みちおアオバナ.jpg

                    青花・下絵のチェック

木村道雄さんに「悉皆」で難しい点は?」と聞くと「相手の気持ちを読む事」。

これは製作者がどういう考えを持ち、どういう意図で染め上がるかを理解し、

また職人の方々にそれをうまく伝えるかという事を意味しています。
 

             ミチオサンタ.jpg

          再び京都の町へ友禅のバトンリレーのために、、、。

多くの人達に支えられ千總の着物はつくられていきます。(I)


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2010.1.15
千總の仕事(1) 「千總友禅」

千總が1555年に創業して、約100年後の江戸時代、貞享・元禄期に

開発されたといわれる友禅染。以来今日まで京都室町にてさまざまな

時代をくぐりぬけ、友禅染を継承してきました。

千總において友禅染は雅やかな古典模様を表現し、「千總友禅」とよばれる

優美ではんなりとした美しい色彩を生み出す、着物製作の重要な技術です。

京友禅3.jpg   京友禅2.jpg

  友禅染は「糊置き」「挿し友禅」など分業化された複数の工程から

構成され、熟練した職人たちが連携し染められていきます。

職人一人一人が技というバトンをリレーしながら、女性を美しく彩る

着物をつくりあげることが千總のものづくりです。

京友禅1.jpg

 また友禅染は水の芸術ともいわれ、良質の水が不可欠です。

以前は鴨川で流す「友禅流し」の様子が京都の風物詩になっていましたが

今は環境問題を敏感にとらえ良質の地下水に頼っています。

京友禅5.jpg   京友禅4.jpg

京都の水、風土、そして多くの職人たちに支えられ

千總の友禅は成り立っています。(I)