所蔵品

円山四条派・近代京都画壇の画家による日本画や小袖をはじめとした染織品、古文書類など、
約20,000点の作品を所蔵しています。
その多くは鑑賞のために収集されたのではなく、ものづくりを続けてきた歴史に深く関わる作品です。
代表的な作品とともに、
それにまつわるストーリーをご紹介します。

日本画家とのつながり

明治時代、岸竹堂をはじめ今尾景年や幸野楳嶺など、
京都画壇の重鎮たちに染織品の下絵などを
日本画家に依頼して友禅のデザインを革新しました。

千總と関わりの深い画家たちの作品は、
新しい美を創造しようとした歴史を示しています。

代表的な作品に岸竹堂の「大津唐崎図」や
今尾景年が原画を手がけた「景年花鳥画譜」、
木島櫻谷の「万壑烟霧」などがあります。

Photo:岸竹堂「大津唐崎図」明治8(1875)年

創業一族・西村家のヘリテージ

千總の創業家である西村家に伝わる当主夫人の
婚礼で用いられた着物などがのこっています。

婚礼の際に撮影された写真もともに伝わっており、
用いられている模様や当時の着装方法など、
明治時代以降の古式を継承した様式がうかがえます。

Photo:千總十三代当主夫人婚礼衣裳「御殿模様打掛」大正2(1913)年

ものづくりのための資料

江戸から明治時代にかけての130領ほどの小袖や、
明治から昭和時代初期頃にかけての
約840冊の型友禅の裂見本帖など、
蒐集あるいは千總が制作したものを含めて
様々な染織資料を保存しています。

着物の歴史や時代ごとの流行などを
示す資料であるとともに、古きに学び、
新しい美をつくり出すために、
今もものづくりの参考として活かされています。

Photo:「紅縮緬地春景御所車御殿文様小袖」江戸時代後期(19世紀初期)

京都の大店としての歴史

円山応挙や長沢芦雪、山口素絢、
吉村孝敬、松村景文など円山四条派や、森狙仙、
岸駒や岸岱といった岸派など京都を拠点に活躍した
絵師による作品が、2点の重要文化財を含めて
いくつも遺されています。

京の町衆に支えられた流派の絵師たちによる作品が
多く伝わっていることが、京都の町に根付いた
大店としての千總の歴史を示しています。

Photo:円山応挙「写生図巻」明和8-安永元(1771-1772)年

所蔵品に関連する取り組み

千總ギャラリーTOPに戻る